エアロハウスTGの概要

●構造体は木ユニットと柱脚から構成されます。

● ユニットは間口方向をラーメン構造、桁行方向を壁構造としています。

● 相欠きの柱と梁を隙間なく並べることより、金属を使うことなく強固なラーメン構造を成立させています。

● ラーメンフレームを隙間なく並べる構造なため、柱、梁共に見付け幅(厚さ) 120mm と、スレンダーな薄肉ラーメンフレームが可能となっています。

● 工場製作した5980mmx2160mmx2780mm(間口x桁行x高さ)のユニットを現場に運び組み立てます。

●もともと複数のユニットを連結して大きな建物を作るために考えられました。1ユニットは運搬時に道交法をクリアする最大のサイズになっています。

●構造体がそのまま内装となるので、ユニットの段階で室内の床、壁、天井の内装は既に出来上がっていると言えます。

●壁、屋根、床は120mm厚の木材(一般的なログハウスと同じです。ログハウスは断熱材を使っていませんが、そこそこの断熱性能を持っています。)に外断熱を施しますので、断熱性能の非常に高い建物です。

●大きな開口部は連結して空間を広げるためと、大きな窓をお勧めしているためです。もちろん小さな窓や壁を作ること可能です。

●ユニットで構造が完結しているので、好きな基礎や脚柱を選ぶこともできます。1階をピロティとして駐車スペースにすることなども可能です。

エアロハウスTGの構造体の仕様

木ユニット

サイズ:L5980mm x W1920mm x H2780mm(外形)
木の種類:欧州赤松(主にスウェーデン産)
※杉、ヒノキなどの地域材での製作も可能です。
厚さ:120mm
構造:「アイガキ」工法

柱脚

鋼管90φ溶融亜鉛メッキ加工
ユニットで構造が完結しているので、好きな脚柱を使うこともできます。
その場合脚柱によっては別途に構造の計算が必要になるかもしれません。

価格

価格はお問い合わせください。
目安としては鎌倉の工場渡しで150万円/ユニットくらいです。
最近の例で最も諸費用の高くなる離島でユニットの現地組立をした場合では、人件費・輸送費・経費なども含めて200万円/ユニットくらいでした。

輸送費用

関東近県の場合荷下ろしのレッカー代を含め10万円程度
鎌倉市またはつくば市の工場渡しにすることもできます。

基礎

別途です。地盤の強度(地耐力)により変わります。十分な強度を持つコンクリート面がある場合はそのままでも設置できます。標準的な基礎図面は設計図書にありますので地盤調査の上、地元業者で見積もりを取ってください。工事費は10万円~15万円くらいだと思います(地域によってかなり異なります)地面に厚20mmの鋼板を敷きその上に設置した例もあります。

​備考

木ユニットは「ログハウス」と同様に木を積み上げ壁、床、屋根面を作り上げています。ログハウスと同様に乾燥状況により隙間があくことが希にありますが構造上問題はありません。隙間が発生した場合安定するのを待ち砥粉などで補修します。

ヒノキの製材を使用した「相欠き薄肉ラーメン工法」ユニットの実例

エアロハウスTG <基本タイプ> 設計例

木ユニット(L5980mm x W1920mm x H2780mm)を3つ繋げた床面積9.5坪をエアロハウスTGの<基本タイプ>とします。

建物概要

●床面積:31.61平米(9.56坪)
●平面寸法:5.62m x5.62m(壁芯)
●天井高さ:2.300m
●内部仕上げ
   床:欧州赤松素地
   壁:欧州赤松素地、一部杉板張り
   天井:欧州赤松素地
●開口部
   窓1:5500w x 2200h、ペアガラス
   窓2:1800w x 1800h、ペアガラス
   玄関扉:850w x 2100h、アルミ断熱扉
●外部仕上げ
    外壁:焼杉ブラシ落としの上塗装
   屋根:シート防水
●断熱材
   屋根、壁、床下ともQ1ボード30mmから50mmm
●給排水設備
   トイレ、ペーパーホルダー、ミニキッチンL1200
●電気設備
   電灯コンセント配線、照明配線、TV、TEL配線、換気扇

※防火構造が必要な場合壁はガルバリューム鋼板+サイデイング、屋根は防火仕様のシート防水またはFRP防水、窓は網入りまたは防火ガラスになります。見積もりをお出ししますのでお問い合わせください。

エアロハウスTGの組み立て例

展示用の組み立てになりますが、CEATECエアロハウスのものが解りやすいのでそれを使って解説します。

①ユニットは工場で組み立てられます。

②構造体はトラックで現場まで運ばれます。この時は鎌倉~幕張で2万5千円 / 一台でした。CEATECエアロハウスは9.5坪なのでこれが3つ必要です。

③標準の脚柱です。ユニットで構造が完結しているので、好きな脚柱を取り付けることもできます。

④クレーンで持ち上げてトラックからの荷卸と柱脚の取り付けを行います。クレーンはオペレーター込みで4万円~5万円 / 日くらいでした。

⑤脚柱を取り付けたユニットです。これを3つ並べます。これは展示用ですが、本設の場合は基礎も先に作っておきます。

⑥ここまでがユニットで販売する場合の構造体+柱脚です。屋根、壁は「ログハウス」と同じ仕様です。屋根と開口をシートで覆えば数カ月はこのままでも問題ないので、セルフビルドを段階的に進めることができると思います。構造体に屋根防水を追加するとプラス20万くらいでしょうか。

⑦壁パネルも製作しておけばその日のうちに取り付けが完了します。これは展示用なので省略していますが、壁パネルの内側の胴縁の間に断熱材を入れます。

⑧建具も2箇所しかないのでその日のうちに完成できます。これは展示用に木製建具にしていますが、実際はアルミ建具がいいでしょう。

⑨完成です。工場でユニットを作ってから現場で組み立てるので、現場での作業を少なくできるとともに工期も短くなります。また、完成後でもユニットごとに分解して脚柱を外して移動することも可能です。これはCEATECで展示の後に全国を移設展示したうち沖縄で展示した時の写真です。